歯科医師の高橋 玄です。
当院では、2011年末より歯内療法(俗にいう歯の神経を抜く治療)の見直しを図っています。
2012年2月にカールツァイス社製歯科用マイクロスコープのOPMI Proergo(プロエルゴ)を導入
しました。
マイクロスコープは、脳神経外科・形成外科等、繊細な治療が必要な領域に早くから
導入されてきました。
歯科領域は、1つ1つの歯が小さいため繊細な治療も要求されるにもかかわらず、
マイクロスコープの復旧は他科と比べ遅れているのが実状です。
マイクロスコープは、肉眼の約20倍まで拡大できそのことから診療において
大きく変わったことが3つあります。
1.歯の保護
最大20倍に拡大して治療部位を観察できるため、今までより削る範囲が少なくすることが
可能になりました。その結果、歯をさらに残せる可能性が向上します。
2.診断の向上
目には見えない細かな亀裂や根っこの状態まで確認できるため診断にも大きく貢献します。
3.治療記録
当院では、初診・メインテナンス等お口の中の規格写真を撮影し、経過を記録しています。
ところが根っこの治療においては、根っこの状態を写真で記録することは困難でした。
マイクロスコープが導入され、付属のカメラで治療の写真を撮ることで患者さんもご自身の歯
の状態を理解しやすくなりました。
また、行っている治療の透明性も向上します。
今後、マイクロスコープを使用し患者さんの歯を残す可能性を少しでも高めていけるよう
継続して努力していきます。