一回の治療で高品質なセラミック修復を可能にする。
この画期的で大変ユニークなアイデアが生まれ約30年、以後様々な研究や膨大なリサーチ、改良を重ね今なお進化し続ける歯科治療があります。
当院の歯科治療において、不動の地位を確立したセレック(CEREC)修復治療です。
世界的にみても、現代歯科医療においてCERECが必要不可欠な存在へと発展してきた過程で中心的役割を果たしているのが現在Mehl教授率いるチューリッヒ大学です。
今回も例年同様、開業医のアドバンスな臨床と大学での座学及びCERECの臨床教育を交えCERECの基本から応用までを網羅した充実のプライベートコースでした。
旅行記①
VITA社研修
VITAブロックマテリアル特性 推奨される形成手技
3Dデジタルシェードテイキング
RLT(ラピッドレイヤーテクニック)
マージンステイニング
デビガス先生 カラーリングレクチュアー&リアルライフライブオペレーション
Ver4.0~ イニシャルシチュエーションリファレンス
応用操作 CAD-Temp
こんにちは、歯科技工士の村井です。
当院では初夏のこの時期、CEREC治療の聖地である本場のスイスにて定期的に歯科用CAD/CAMの臨床教育を受講するようにしています。
この貴重なセミナーに参加するにあたって、常日頃から大変お世話になっている、当院の非常勤専門医、指導医の風間龍之輔先生のご尽力に、感謝致したい所存であります。
今年のツアーのトピックスの一つにCERECブロックを製造加工している、
ドイツのVITA社でのセミナーがありました。
VITA社のオフィスは、スイスとの国境近くに位置し、少しノスタルジーで、閑静な街並みに何ら違和感もなく溶け込んでいました。工場見学では、徹底したオートメイトによる製品管理。システマチックに商品を、全世界へと輸送されていく姿にユーザーとして安心しました。
続いての講演では、デジタルシェードテイク、CERECマルチレイヤーテクニックのラピッドレイヤーテクニックは、今まで当院で主に製作しているCAD-onと、何ら劣る事のない高品質で強い接着強度であることを認識でき、技工魂に火が着く素晴らしい講演でした。
その後、ツアー中に大変お世話になった、スイスチューリッヒで開業している
技工士のラボで、CERECのイメージング上でのアドバンスなカットバックテクニックと、レイヤリングテクニックのレクチャーを受けました。彼はVITA社認定のインストラクターでもあります。
最近日本でも話題になっていて、私自身もセミナーに参加したり本を見聞したりしていてぜひこの技術を、習得したいと思っていたテクニックなので、本場で技術を熟知した技工士の手技に感動と、さらなる修練の必要性を感じました。
翌日は、昨年も大変お世話になった、CEREC直接修復で世界的に有名な開業医デビガス先生のオフィスでの上顎前歯のリアルライフの特性を生かしたライブデモを連続して見学しました。日本の歯科医院と異なり、エレガントなオフィスでした。
日本でも、なかなか見ることの出来ない上顎前歯部のCERECライブデモケースですが、世界的な名医のライブデモという事で大変、貴重な体験を致しました。動画撮影も許可されリアルライフのマテリアルの特性を十分に生かした実践的テクニック以外にも、イニシャルシチュエーションというソフトウエアの使用法や一連の直接修復の基本手技の再確認など、高い成功率を誇るメソッドを教えてくださいました。
今回見学したのは、技工士でも少し難しい側切歯でしたが、慣れた手つきで解説しながらCEREC修復を行い、信じられない短時間で終了させていました。それも2本連続で。
最後には患者さんの素晴らしい笑顔があり、それがとても印象的でした。その後の山頂レストランでデビガス先生を囲んでの食事会では、セレックにかける思いやセラミックの将来の発展性などプライベートプラクティスならではの話題で大いに盛り上がりました。
今回の研修では、CEREC治療は既に保存修復治療の中核を担うものになっており、日常的にマスターする重要な歯科医療であると改めて認識しました。
その中で日々進化していくCERECシステムに追随していき、継続した技術の向上や世界的な潮流に遅れないように勉強し続けることの大事さを感じました。
帰国後の最初の勤務日に風間先生から、当院のCEREC診療水準が本場と比べても何ら遜色のないまでになっていると言われ、大変うれしかったです。
また来年も楽しみにしています。